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「ホームカミング再び」

秋のビッグイベントの一つ、ホームカミングについて二年ほど前に書いてみた。なんと今年は息子もホームカミングダンスに行くという。「デート」が見つかったのだ。

息子のデート、シシリアちゃんはカトリックの女子高のフレッシュマン。お兄さんクリスチャンが息子と同じ野球チームの上級生。そういうつながりで、彼女のホームカミングダンスデビューのお手伝いということのようだ。

「かあさん、コサージュがいるんだって。赤いカーネーションだって。」
コサージュ?赤いカーネーション?母の日?ん?

「ドレスはこれだって」とクリスチャンからケータイに写真が送られてきている。上が黒で下が白だから赤いお花は確かに素敵かも・・・。タミー(こちらをご参照ください)が言っていたように女の子にとっては大事な舞台なのだなあと思った。息子もドレスアップしないといけないかと「買いに行く?」と聞くが「いつも学校に行っているのでいい。」と淡白だ。

調べてみると、ホームカミングは男の子から女の子にコサージュ、女の子から男の子にブートニアを贈るのが習わしだとか・・・。ハリソンの時にそんなこと言ってた気もするけれど、切迫感なしで聞き漏らしてたかも・・・。
どんなものをどこで手に入れたらいいのかわからない。まずはネットで検索・・・・とアクセスしてみるとたくさんの写真があった。ブレスレットのようになっている。

でもどこで売っているかわからない・・・。出ているもののお値段は30~40ドルするしどうしよう・・・・・。そう思いながら見ていくと、手作りサイトが一杯あることに気づく。そうだ、手作りしてみよう。Youtubeなども参考に前の晩に作ることにした。前の晩は遅くまで娘のバレエのリハーサルのお手伝い、当日は朝一番で80km離れたところまで野球の試合に行き待ち合わせの時間ギリギリにかえって来るから、お店に受け取りに行くタイミングも難しいし・・・・。でもちょっと無謀かな?
ブレスレットなど材料はマイケルズというクラフト専門店でゲット。

前日、金曜日の午前中。新鮮な花束が出揃った頃を見計らって花束が安いTrader Joe'sに行った。このチェーン店はカリフォルニア以来のお気に入り。一度どこかでご紹介したいと思っている。
が、しかし・・・・時期が悪くカーネーションはまったくない。バラじゃだめよね・・・どうしよう・・・・当てにしていたので困った。

しょうがない・・・地元ノースビルのダウンタウンにある花屋に出向く。外から見てお高そうだから、ずっと敬遠していたが、他に知らない。ノースビルのお店は敷居が高く、あるアメリカ人の知人が自分のウエディングドレスを買いに行ったら「あなたの予算で買えるものはここにはないわ」と言われたとか・・・。だから私も特定のお店以外あまり行った事がない。
でもしょうがない。赤のカーネーションが必要なのだ。
ドアを押し、入ってみる。ノースビルダウンタウンにふさわしいおしゃれな店内。声をかけると中から出てきたのは、エプロンをかけた年配の女性。

「ホームカミングのコサージュ、自分で作ってみようと思うの。初めてだからアドバイスもしてほしいんだけれど・・・。」と切り出してみたら、思ったよりナイスに花を選んでくれるではないか。立派に開いているように見せる為に、花弁を切り取ることも教えてくれる。

代金を払おうとレジに行くと、「ちょっと待って」と奥に入っていく。どうして?

針金とフラワーアレンジメントのテープとを持って戻ってきた。そして、買った小さいバラを切って針金を差し始めた。初めての私に針金の刺し方だけでなく、テープの巻き方まで実演してくれるではないか。開いているのを使うわよ~と言いながらカスミソウを冷蔵庫から取り出して、「こうやって付け足していくのよ。これもあげるわね。」と立派なカスミソウも一本サービスしてセロファンで包んでくれた。ブートニア用のピンはどうしたらいいかとの問にも「ちょっと待っててね」とまた奥に入って黒い頭のピンを二本持ってきてセロファンに刺す。「え、くれるの?」茶目っ気一杯にウインク!してくれた。「出来上がったら冷蔵庫に入れるのよ。奥はだめ。寒すぎるのよ~。前のほうに入れてね。」

当日。
野球から戻ってくると、さっそく着替えて息子をクリスチャンの家まで送りにいった。
あとはクリスチャンが運転して連れて行ってくれるということで、ドレスアップの必要のない私は着替えもせず気楽に出かける。

クリスチャンのご両親とご挨拶。椅子にかけてシシリアちゃんの準備ができるのを待っているとママのお姉さんもやってきた。やっぱり大イベントなのだ。おしゃべりしながら待っていると、クリスチャンのデートも到着。なんと家族総出で送ってきた。それぞれの両親が挨拶をし家の前でたくさんの写真を撮る。これもお約束のようだ。土曜も仕事の夫、いつもどこへも一人で参加することには慣れたがやはり心細い。涙ぐむことも多々あった。今回、既に知り合いのクリスチャン家族とで、本当に良かった。
クリスチャンのデートは美人で大人っぽい。息子とシシリアちゃんのカップルは即席の上、初々しくてこれもなかなかだと親たちはそれなりに満足(笑)。

叔父さんに借りたキャデラックに両カップルが乗りクリスチャンの運転でディナー会場のアスレチッククラブ(Athletic Club)まで行く。私はここで帰宅。クリスチャンのご両親はそこまでついていって、そのあとはこれに合わせて開催の「親のパーティー」に参加し、ころあいを見計らってお迎えに行ってくれる。二人ともまだ運転ができないからだ。クリスチャンとデートはもちろんアフターダンスパーティーに行くのだそうだ。帰ってくるのは日をまたぐらしいが、これも両方の親が何時ごろまでOKにするかと話し合っていた。大人のようで子どもで難しい年頃だ。

アスレチッククラブでの写真をご覧ください。
名前からするとジム?何?と思っていた。ジョーくんのパパが会員なのだそうだが、ご覧の通り素敵なところ。でも会員だからディナーのお値段は普通よりもお安くとても助かった。やっぱり私立は違うなあ~。

クリスチャンのママから途中経過のメールがいくつか届く。「手作りコサージュはお友達みんなに自慢しちゃったって言ってるわよ」とナイスなコメント。次があったらもうちょっと上手に作れるかな。

 


帰ってきた息子に聞く。
「どうだった?」
「まあまあ」
「ダンスはしなかったの?」
「友達としゃべってた。」
「?」

まあいいや。どんなものか見られてよかったね!

 

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