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「お酒は20歳?」

日本では成人式。息子も日本にいたらその仲間に交じってお祝いをしてもらっていたであろう。
同じ大学の野球部の同期二人(歳は一つ上)はどちらもお母さんが日本人で、本人たちもとっても日本びいき。昨年日本で紋付き袴で写真を撮ってSNSにアップしていた。お父さんが白人だからか、いわゆる日本人離れしたエキゾチックな顔立ちで、二人ともそれはそれは似合っていて、来年は息子にも着せたいなあと思ったりしていたが、忙しかったこともありすっかり忘れていた。とても残念。これは知人のお嬢さん。

かくいう息子もこの年始、日本で「居酒屋」デビューを果たした。98歳になる祖父に会いに里帰りをし、同じくちょうど20歳になった日本の野球仲間と行ったらしい。「おじいちゃんが寝てから出かけて、二人だけでちょこっと飲んでカラオケに行って、叔父さん家族に迷惑がかからない時間に帰ってきた」らしいから雰囲気だけだったかなとは思うが、それでも楽しかったようだ。

こちらでは21歳になるまでお酒は禁止。
にもかかわらず、18歳で大人とみなされ、選挙権はもちろんもらえ、医者も銀行も親には何も教えてくれない、させてくれなくなる。

とは言っても、まだ自分一人では判断に困ることもあるし、うちのように自宅から遠く離れていて自身で管理するには不便な場合もある。
そのため、「親を代理人とする」という書類を作成することが一般的のようだ。とはいえ、これもちょっと裕福な層のことかもしれない。弁護士を立てたりして費用が発生するからだ。

うちはラッキーにも、息子の同級生のママに相談したら息子さん用のものを転送してくれて、こことここにサインしたらいいわよって教えてくれた。
だから銀行はもちろん、受診する医療機関それぞれに持っていって手続きをしたりしている。これがその書類。それぞれ2枚と7枚。

話を戻そう。成人式。こちらではそっくりそれに当たるようなものはないのだが、ハイスクールのグラッドパーティがそれに近いものではないかと思う。ハイスクールを卒業する5,6月に自宅でオープンハウスをする。18歳で大人の仲間入り。就職すれば一人暮らしを始めるし、大学に通う場合は寮に入るのが一般的(勉強量が半端でないので、自宅がよっぽど近くない限り寮に入るし、入寮を義務付けている大学も少なくない)。だから「高校を卒業するときが家を出るとき」ということで、親戚から友達、ご近所のおじさんおばさんまで、とにかくいろんな人に声をかけて来てもらう。何月何日の何時から何時まで開いていますという招待状を送り、都合の良い時間に立ち寄ってもらう形が多い。
RSVPとある横のメールアドレスか電話番号に出欠を伝えることが多いけれど、このごろはRegrets onlyということも。行かない場合だけお知らせするそうだ。

とはいえ、昨今の物価高、アパート代も高ければ、学費なんて私立は400~800万円、公立でさえ200~300万円かかる。もちろん1年分。なので、自宅から通えるようなコミュニティカレッジで単位を取って、単位がそろったところで大学3年相当に出願する学生もけっこういる。そうすることで何百万円かセーブできるし、4年制大学のほうでも毎年ドロップアウトする学生がいるため3年生くらいだと少し敷居が低くなるようだ(半分近くが1年目が終わるまでにドロップアウトしている学校も少なくないとか)。ただし、アイビーリーグのようなところはまず中途入学を受け付けないし、ほぼ全員が卒業するから、ここも十羽ひとからげでは説明できないけれど。

この3月には娘が18歳になる。また書類を用意しておかないと。こちらに来たときには2歳だったことを考えると感慨深い。

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