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「狩り」

9歳の女の子がシューティングレンジでインストラクターを射殺してしまったという痛ましいニュースは記憶に新しいのではないだろうか。家庭内の誤射での惨事も後を絶たない。私の周りには持っている人が少ないと思うのでよくわからないのだが、うちにも、前住人宛に銃関係のダイレクトメールが送られてきていたから、それなりに持っている人もいるのだろう。実際に狩りが好きな人は、子供にも抵抗なく、指導をしているようだ。

息子の友だちはゴムを使って石などを飛ばすいわゆるパチンコでリスを捕まえ、上手に皮をはぐのだそうだ。一緒に狩りについて行って、一部始終を見て帰ってきて、興奮して話してくれたことがある。皮をはいで、塩水につけて洗い、干す。お手並みの見事さに圧倒されたとか。

彼は鹿狩りにもお父さんとよく行くようだ。家の居間にはいくつもの剥製があった。鹿のお肉、なんていうんでしたっけ?ベニソンVENISON。いろいろな料理の仕方でご馳走してくれるみたいで、遊びに行くと、時々持たせてもくれるからご相伴。私は意外と好きなので楽しみにご馳走になっているけれどちょっと癖があるかも・・・。

 

最初にお宅にお邪魔した時、ママは剥製をさして「こういうのがお好きかどうかわからないのだけれど・・・」と理解があるかどうか心配しながら話しかけてきた。動物愛護の視点からみたらひどいことだろうし、実際に自分が狩りをしたいかと言われたらNOだから何とも言えないが、飾ってあったものはどれも立派で素敵だった。

そこのパパは脳神経外科医。息子ちゃんも医者になりたいといっているし、そのナイフ捌きの巧みさを聞くと、この先もしも手術しなければならなくなったら、彼に執刀してもらいたいわと思ったりもした。

ちなみに鹿狩り・・・かすったり狙いを外すと鹿が苦しんだり、傷を負って逃げることになる。それではあまりにもかわいそうだからと、じっくり機が熟すまで待って一発で仕留めるのが極意なのだそうだ。そうやって太古の昔から生きてきた人類、牛や豚を育て、魚を取って食べている私たち、ということを考えるといかにも自然なことなのかもしれないけれど、自分にできるか、したいかと言われたらどうだろう。今日も、車の後ろにネットのようなものをつけて獲物の鹿を運んでいる車が、うちの車を追い越していった。そういうシーズンなのだろうか。遊びでむやみにだけは殺してほしくない。

<写真は寺澤恒さん撮影>

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