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「アメリカの度量衡」

ご存知のように、アメリカでは重さはオンスやポンド、長さはインチとフィート、マイル、はたまたヤードを、温度は華氏、液体はガロン、パイント、クォートなどの単位を使っているので、慣れるまでなかなか不便を強いられる。

中でも腑に落ちないのが液体の計り方。
日本では10進法だし、パックも200ml、500ml、1000ml・・・・となっているからわかりやすいが、こちらはちょっと複雑。
一カップがまず237ml(正確には小数点以下あり)。これの上の単位がパイントpintで473ml。
その上の単位がクォートquartで946mlだったか・・・・。 その上がガロンgallonで3.78リットル、間にハーフガロン1.87リットルがある。さらにオンス29.57mlなんてのもあって、8オンスで1カップ。

今回調べてみて、小数点下6桁で計算するとちゃんと半分や二倍になると分かったが、パッケージの表示のミリリットルだけ見ると2倍や半分にしてもぴったり合わないところになんだかアバウトさを感じてしまうのは私だけだろうか・・・。

ケーキなどを作るときも、粉や砂糖を重さで量らずにカップを使って、カップ1/3とかカップ2杯として量ることが多い。小麦粉などをふわっとはたまたキチキチに入れたらそれだけでも違うように思うので、毎回同じだけ量れるのかなといつも心配。料理のレシピを見るたびに日本人だと実感。
でも実は沖縄の牛乳は今もクォートだとか…。やっぱりアメリカの影響が強いのかな。

ちなみに、小さじがTea Spoonで5cc、大さじがTable Spoonで15ccは同じでわかりやすいのだが、表記がtspとかts、tbsp, tbp などなどで紛らわしい。計量スプーンを使わずにホントにティースプーンやテーブルスプーンで量ることにもちょっと驚き(笑)!

子供たちにもわかりにくいようで、覚えやすいようにと絵のようになったものがエレメンタリーで配られるのだとか。うちの子たちはもらわなかったが、知人のところでもらったものをお見せしたい。

この図のようにガロン(G)の中にパイント(P)が4つあり、またその中にカップ(P)が二つずつ、つまりカップで量ったらガロンは8カップというのが目で見てわかるようにというもの。お嬢さんの省略形の書き込み、in, ftなどがかわいらしいですね。

温度は華氏。氷点が約32度、こちらで言うビローゼロ(Below zero、つまり華氏0度以下)は摂氏にすると約-17度を下回る寒さ。こうなるとこちらでも相当寒い。あるビローゼロのときは、車のドアノブ(内側)がポキッと折れて壊れてしまった。ドアの厚み部分の内側のプラスチックで外からは見えないところだが、外にでようとひいたところ、変な手ごたえと音が聞こえたと思ったらもうダメ・・・折れてしまった。修理が終わるまでは毎回窓を全開にして外側からドアを開けなければならなかった・・・5分外にいたら凍傷、もしくは死んでしまうと警告されている寒さなのに・・・(涙)。

ちなみに、ESLのクラスで日本の「桜の花見」の話をしていたときに気温をきかれ、「20度くらいなんだけれど・・・華氏で何度だろう?」って言ったとたん、周りのみんながわかったわかったといい始めた。アメリカ人の先生以外。そうなのだ、世界を見回すと、摂氏を使っているところの方が多いのだ。それはそうだろう、ゼロが氷点、100が沸点、とてもわかりやすいと思うのだが・・・。

長さもそう。子供の身長はインチで言い、「この間の検診で53インチになったわ」というやり取りをよく聞く。60インチ、つまり5フィートを超えると途端に「うちの子は5の2になった」「あの野球選手は6の8なんだって」となる。インチは約2.5cmなので日本人の感覚からすると一インチの差がかなり大きく、とっても大雑把に感じるのではないかと思うが、これでうまくいっている。12進法なんてわかりにくいと思うのだが・・・。

距離や車の速度はマイル。1kmが0.6マイル。
こちらに来た当初は毎度毎度kmに換算して納得していたのに、2年目くらいにカナダに車で旅行に行ったとき、道路標識がkm表示で「100kmって何マイルよ~」って思ってしまったから不思議だ。
速度がデジタル表示の今の車で、知らずに変なボタンを押してしまって表示がマイルからkmになってしまった時には慌てた。複数国に輸出するためなのか、温度も摂氏と華氏と選べる。皆さんの車もそうなっているのでは?
ちなみにこのマイルは道の名前にもあって、家の近くの道は9 Mile Road。だいたい1マイルごとにあるのだけれど、11 1/2Mile Roadなんていうのもあるのはアメリカらしい。

さらに不思議なのは生地を買いに行くとヤードで測られること。なんでだろう?買うときも、3ヤードちょうだい、って感じで言うが、120cmほしい時には1と1/3ヤードくださいになる。これもアバウトだがしょうがない感じ。切り方も結構アバウトだから・・・(笑)。

重さもやはり同じ。お肉や魚、出来合いのデリカテッセンもポンドで売られるから、量り売りの時は生地のように「一ポンドと半分頂戴」なんて感じで買う。最初はどうやって買うか自体皆目見当もつかなかったことを懐かしく思い出す。途方に暮れていた(笑)。

ところでさらに困るのがその下の位、オンス。この約28.5gの一オンスが16集まって一ポンドになるという、つまり16進法がここでは使われる。赤ん坊の体重も「うちの子は8ポンド3オンスで生まれたわ」という。ややこしいのは、最初に書いたようにこのオンスが体積を表すのにも使われること。よくコーラの缶などに12FL OZ(355mL)などと書いてある。

そうそう、卵も10個でなく12個入り。ダースなのだ。こちらでは多くのものがダースで数えられるし、小銭も25セント硬貨が4枚で1ドルだ。算数が苦手な人が多いといわれるこの国でよくもまあわかりにくい度量衡法が残っていると感心することしきりだ。

算数や数学の先生方に聞いてみたことがあるが、みな「メートル法がいいと思うのよね」とおっしゃっていたが、一般にはどうなのか、意外に聞いてみたこと、なかったなあ。

そう思って考えてみたら、日本でもいろいろあった。お米何合何升、俵をはじめ、土地の坪や、建具の間、為替でよく耳にする銭などなど・・・。
弓道の的や着物のサイズも尺や寸なしではちょっと違うなあ。知らない間に使い分けていた。アメリカ人もそんな感じなのかな?

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