ホーム ミシガン便り

ミシガン便り

「道路お国事情」

道路も日本と違うことが色々あり、戸惑うこともいっぱいだ。

お国柄と書いたが、それぞれの州が一つの国のようなこの国なので、それぞれにそれぞれの特色があり、同じシステムでも違う名前で呼ばれていたりもするのだ。ビックリ!

交通規則などで日本と違うところは・・・・。
車が右側通行だというのは良くご存知だと思う。

こちらに来た日本人が驚くことの一つが「右折(日本の場合の左折)は安全なら信号が赤でもOK」というもの。このビックリ、実際には理にかなっていると思う。

例外はNO TURN ON REDという標識が立っている場合。交通量の多い道路にはこれが立っているが、見えにくいことも多く(夏に街路樹に完全に隠されていることもあった!)、よく「ネズミ捕り」が張っている。

同じ場所にRIGHT LANE MUST TURN RIGHTという標識が立っていることもあって、ボーっとして標識を見落としたまま交差点まで来てしまうと、どっちだったか分からなくて困ってしまう。もちろん、とりあえず止まって青になるのを待てばいいのだが、後ろからクラクションを鳴らされたりするとそのままというわけにはいかない。でも、後ろの車も分かっていないことがあったりして・・・やはり要注意なのだ。

 

高速道路上にあるHOVという表示。High Occupancy Vehicle専用の車線ということで、二人以上乗っている車だけが通れるレーン。Carpool Laneともいう。ラッシュアワーの渋滞緩和のために乗り合わせを奨励する方策で、環境に優しいといううまみもあるから,ハイブリッドカーならば一人乗りでもこのレーンを走っていいらしい。

全米27箇所にあるという話だが、私が走ったのはロサンゼルスとアトランタ。ミシガンにもないことはないらしいが、車の街だけあって車の数を減らすことには熱心ではないのか、あまり積極的に展開していない様子。

さてこのHOV Lane、渋滞緩和のためのものだから当然だが、五車線も六車線もあるようなエリアのいちばん左側(追い越し側)にあるため、高速道路の入路側(つまりいちばん右側)からこのレーンまで行くのがまず一苦労、さらに出るときにまたいちばん右側にもどるのがたいへんで、道をよく知らないと下り損ねてしまったりする。

ラウンドアバウト(Roundabout)は、日本でも長野の自治体で導入というニュースを読んだが、こちらでもところどころに設置されている。特に新しい道路に多いように思うが、まだ決して数は多くない。

メリットは、たいして混んでもいない道路でいつまでも信号待ちをしなくていいということだろうが、信号の停電の際にも機能が停止しないのもうまみの一つ。こちらはかなり停電が多い。停電した交差点では、4STOP(フォーストップ)、つまり交差点全方向にストップサインがある状況と考えて運転することになっている。すべての車が交差点で一時停止して、先着順に一台ずつ出発するというシステム。幹線道路でこういうことが起こると大渋滞が起こる。渋滞の後ろにいると「大事故か?」と思うくらいなのに、何のことはない、ただの信号機故障だ、というわけ。ラウンドアバウトにすれば、こういうことがかなり防げる。

デメリットは・・・。
入るタイミングが難しいことと、どこで出るかがよくわからないこと。毎日通っている人にとっては何てことないのだろうが、信号やストップサインと違って、自分が入って安全と思えば入って良いわけだから、周りをけん制しながら「エイヤッ!」と入る?

 

初めて入ったとき、昔した「大縄跳び」を思い出した。怖くって、上手くタイミングが取れなくって、入れなかったことを・・・笑。

これは日本にあるのかわからないが、ミシガンターンというのがある。カリフォルニアとテネシー、そのほか旅行に行ったほかの州ではお目にかかったことはないし、そもそもミシガンターンなんて名前が付くぐらいだから、ミシガンだけ??少なくてもミシガンが元祖かな。大きな幹線道路で左折が禁止になっていて、左折の代わりに右折+Uターンをする、というもの。

例えば、幹線とぶつかる交差点で左側にあるショッピングセンター入りたいときに、左折はできないからまずいったん右折する。そうすると50mぐらいのところで中央分離帯が切れていて、Uターン用の交差点になっている。そこをUターンして幹線道路に入り、しばらく進んでようやく目的のショッピングセンターにたどりつける、というシステム。左折渋滞が起こらないように、無理な左折での事故を減らすために、という趣旨は理解できるが、面倒だな、と感じることもしばしば。500m以上Uターンできないところも結構ある。

ちなみにそのUターン場所に信号がある場合、車が来ていなければ赤でもどんどん行ってしまう車がほとんど。カリフォルニアで免許を取ったときに習ったルールによれば「右折なら赤でも行っていい」ということだったが、この場合は左折になる。対向車がないという点では同じ条件だが、これで捕まってもいやだな、と思って知り合いに聞くと、"Hmm, that's a good question."といって要領を得ない。

ミシガンに越してすぐのころ、家族で出かけた際に、このミシガンターンに出くわした。実は私はたまたまこのルールを友だちから教わっていたので、すぐに気づいて運転していた夫に伝えた。きょとんとする夫に正面の信号の脇にある左折禁止の標識を指し示す。基本的にミシガンターンという発想のない夫は「じゃあどうやって左にいくの?」といぶかしがる。「一度右に曲がればUターンできるところがあると思うから、とにかく右に行ってみて・・・」と頼んだ。しぶしぶ右折し、Uターンをして走り出したまさにその場所に取締りのパトカーが・・・。張っていたらしい。間一髪!

そしてそしてミシガンの道路といえば・・・・。

穴ぼこだらけ、ガタガタなのだ。冬場、氷点下の続くミシガンだから、地中の水が凍り、地表が盛り上がるが、場所によって水分量が違うわけだから盛り上がり方も均一ではないところを車が通る。そして春になって温むとそこが下がり、アスファルトが割れたり、沈下したりということになる。凍結防止の塩まきや除雪車が道路をガリガリすることも要因と耳にした。

一般道でも制限時速が70km程度だったりするとろこが多いので、よける前に穴に入ってしまうこともたびたび。パンクも多い。日本ではパンクなんて体験したことがなかったが、アメリカに来てからは片手では足りないほどある。何かを踏んだり穴に入った記憶など何もないのに・・・。

そのでこぼこを直す道路の工事。

これがなんと延々続くのだ。穴を埋める程度ならまだしも、「市のメイン道路を横切る電車の踏み切りによる大渋滞を緩和することと緊急車両が列車で通れないことが起きないように」するための線路と交差する部分の道路を高架にする全長2km程度の工事。どのくらいの日数通行止めにしていたと思います?

一年・・・。その間、緊急車両は迂回してたのかな? 本末顛倒とはまさにこのこと。通行止め区間の店舗は閑古鳥が鳴いていた・・・。

娘の中学の前の道路が新学期、通行止め。みな、反対側まで回り込んで連れて行くことに・・・。もちろん事前の連絡などなにもなし。予定では夏休み中に終了だったらしいが、9月の半ばにやっと通れるようになったものの、必ずどこかの車線にパイロンが立ち、変則でしか通ることができず先日やっと元通りに・・・・。

工事の人が頭を下げたイラストとともに「O月O日の深夜O時~O時 XXからXX間を通行止めさせていただきます」と通行が一番少ない時間を選んで工事をし、看板だけでなくテレビやラジオでも通報してくれ、予定通りに終了する日本の工事のやり方になれた人にとっては信じられない、ストレスのかかる状況。日本ってすごいなあ~

このページの先頭へ