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ミシガン便り

「メキシコ人の友人」

メキシコ人の友人、リディアから、仲良し数人で少し前からスペイン語を習い始めている。

平均年齢半世紀。硬くなった頭で新しい言葉を学ぼうというわけだから、覚えがよろしいはずもなく、進み具合いはまるでカタツムリのようだが、女三人寄れば何とやらで、とにかく、とにかく楽しい。図書館のグループ=スタディ=ルームでドアを閉めてやってはいるものの、笑い声が筒抜けかも、というほど。メキシコの習慣やら食べ物やら、祝日そのほか、スペインとも違った、もちろんアメリカとも違ったことが次から次へとでてきて、そしてリディアはそれを体験させてくれようとするから、それがまた楽しい。

1月6日にロスカ=デ=レイエス(Rosca de Reyes) をしてくれた。これは、ご存知三人の賢者が星を頼りにイエス様を探し当てたことを祝うお祭りで、子供たちがプレゼントをもらえる日なのだが、リング状の大きな大きなパン(下記写真参照)の中にBaby Jesusが入っていて、それに当たった人が次のパーティーDia de la Candelaria (タマレスをメインディッシュにしたもの)を開くというもの。マリア様が戸を叩いて入れてくださいと歌い、家の中から入れてあげられないと歌を返すという慣わしもあるそうだが、スペイン語のほうがまだまだその域まで到達せず(するのだろうか(笑))、ただただ、リディアが歌うのを聞いていた。

ロスカ=デ=レイエスのリング状の大きな大きなパン
(Afuera) 
En el nombre del cielo 
os pido posada 
pues no puede andar
mi esposa amada.
(Dentro) 
Aquí no es mesón,
sigan adelante 
Yo no debo abrir, 
no sea algún tunante.
続く
英訳(Outside Singers) 
In the name of Heaven 
I beg you for lodging, 
for she cannot walk, 
my beloved wife.
 (Inside Response)
This is not an inn 
so keep going 
I cannot open
you may be a rogue.
続く
Baby Jesus

さて、Baby Jesusは誰の手に渡ったかというと、ルーシー、としみさん、私、ちかこさん、マリアナ、スーザン。ん?なんで? 実は、パンを注文する時に、「たくさん入れて!」ってリディアが言ったらしい(笑)。ご想像の通り、かなり盛り上がった。

本来なら最初にみつけたルーシーが音頭をとってパーティーとなるところだが、手術を控えそうもいかず、ちかこさんは帰国直前・・・。うちで開催したいのは山々だが、2ベッドルームの小さなアパートで、居間には息子がソファーベッドを置いて寝室にしている有様(野球練習用のネットがしきりになっている)。狭いことに文句を言うような人はいないが、数人ならともかく、さすがに10人も呼んだらかえって迷惑になりそう。結局としみさん宅で開催することに。

メインディッシュとなるタマレスはリディアがメキシコ料理店から買ってきてくれることになり、それと一緒に食べるライスまで作ってくれるというので、後は各自持ち寄り、ポットラックということになった。

余談だがポットラックは楽しい。みながそれぞれ好きなものを持ち寄る。重なっちゃいそうなのだが、なぜか前菜からデザートまで多岐にわたるのだ。今回は名古屋名物・手羽先があり、食べ方のレクチャーまでしてもらった。実は私、骨付きの肉は食べづらくて、子供のころから苦手だったのだが、「片側の骨を割って崩したら、お肉がとりやすいよ」と教えてもらい、生まれて初めて上手に食べられた。これから手羽先料理を増やそう。特にアメリカでは手羽先は安い。ティーンエイジャーを抱えてエンゲル係数の上がるわが家には福音だ。

 
タマレス

話を戻そう。
タマレス(右写真参照)とは、とうもろこしの粉を練ったものの中に、お好みで鶏肉、豚肉、牛肉などを入れ、ペッパーそのほかで味を調え、とうもろこしの皮でチマキのように巻き、蒸して作るらしい。とにかく手間がかかるそうで、かなりまめにお料理をするリディアが「買ったほうがいい」と言うくらい。でも、先日、メキシコ人仲間でタマレス講習会があったそうで、来年は一緒に作ろうかともいっていた。

メキシコ料理店にも連れて行ってくれて、メニューのこと、注文の仕方、楽しみ方などなど教えてくれて大変に参考になる。おいしいメキシコ料理の店を推薦して、と頼むと、実は周りのほとんどのお店は × なのだそうだ。「あれは本物じゃない」というのだ。他のメキシコ人家族に聞いたときも、「ダウンタウンデトロイトの○○だけにしかうちは行かないわ」といっていた。アメリカのメキシコ料理店は、アメリカ人の好みに合わせてかなり味をいじっているところが多いのだろうか。

確かに、日本料理、と銘打っているところも、これが日本なの?と思うところが少なくない。ハイバチグリルとうたっている焼肉の店があるが、これは火鉢からきているのだろう。日本人はこうは食べないなぁと思いながら、ベニハナ風料理人の派手なパフォーマンスを見ている。ナイフ、フォークをグルグル回しながら手品みたいに焼いていく様子を楽しめて、面白いには面白いのだが・・・。

ともかく、メキシコの文化、料理を取ってみても、「先達はあらまほしきものなり」と思った次第だ。

 

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