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ミシガン便り

「再婚事情」

新学年が始まり、元気に学校に行ったわが息子。
しかし、とても複雑な顔をして帰ってきた。
昨年度の担任のMr.McDonald (仮名。以下Mr.M)が再婚したと聞いたのだが、そのお相手が、なんと一昨年妹の担任だったMrs.Swain (仮名。以下Mrs.S)。

Mrs.Sには4歳と7歳の男の子がいて、家族の写真を何枚も職場に飾り、ことあるごとに生徒たちに家族のことなどプライベートの話をするのはアメリカでは普通なので、娘も私も良く知っていた。住んでいるところもご近所だし、親子で先生のことを尊敬していた。

Mr.Mのお子さんはまだ生まれたばかりのベビーちゃんだった。玉石混交のアメリカ公立学校の中でMr.Mは単なる石かもしれないと親としては何となく感じていた。しかし、息子たちは「ハイハイをしだしたんだって」とか「歩き始めたんだって~」と、日々、いろいろ報告してくれ、自分たちの甥っ子のようなM Jr.の成長を楽しんでいたのだ。

ところが、夏休みを挟んであっと驚くことにどちらも離婚再婚。のみならずMrs.Sは「Mrs.McDonald」と堂々と名乗り、キンダーの先生を続けるそうだ。

「Mrs.Sの家にMr.Mが転がり込むという形」だったらしいのだが、校長先生に事前報告もなしに、夏休み前のPTA役員会議のときに初めて、Mr.Mがコーヒー片手にやって来て、「先日離婚しまして、今キャシー(Mrs.S)とデートしています」といい、Mrs.Sのほうも同じ報告をその場でしたそうだ。校長先生は一言も発しなかったとか・・・。

その報告の場に居合わせたママと公立図書館で会った時にその話題になったのだけれど、アメリカ人である彼女でさえ、「目の玉が飛び出た」といっていた。何よりベビーの話をクラスでずっと聞かされて、甥っ子のようにかわいいと感じていた彼女のお嬢さんやわが息子たちは、衝撃の事実をどう受け止めていいのか分からずにいる・・・・というところ。

ちなみに、他学区の中学校で数学を教えている友人に聞いてみたところ、「夫婦で一緒の職場は認められているとはいえ、その状況はね~」とびっくりしていたから、アメリカ人の感覚でもやっぱり普通じゃないようだった。

よくよく思い返してみれば、昨年度、ボランティアでモーターマムというのをしていた時(これはある運動を子供たちにさせるボランティア。それによって相乗効果で脳の働きが良くなるとされる。)、そのための道具をしまっている倉庫がMr.Mの教室の先で、私は必ずといっていいほど、二人がコーヒーカップ片手におしゃべりしているのに出くわしていたのだ。ちょうどどちらも生徒が特別授業で他教室に行っている時間だったようだが、どちらも「それぞれに」よい家庭を築いていると信じていた私は、にこやかにご挨拶して、毎回横を通り過ぎていた・・・・・。なんと鈍感な・・・(笑)。

どちらにも子どもを教えていただいたことのある私だが、この事実を知って、お目にかかった時に「おめでとう」の言葉がどうしても言い出せなかった。ご当人たちは幸せなのだろうけれど、二人のそれぞれの子供たちはどんな気持ちで過ごしているのだろう。でもこういう場合、やはりお祝いをするべきかしら・・・?

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