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ミシガン便り

「ソフトボール」

息子の野球の試合を観にいった公園で、白髪のご婦人が二人、足にサポーターを巻いて歩いている。犬の散歩もよく見かける公園なので、リハビリのための散歩かな、と思って、はじめは気にも留めなかったけれど、ふと気がつくと、同じTシャツの人があっちにもこっちにも現れてきた。な、な、な、なに? どのご婦人も、髪は白いし背中は曲がっているし、皆両脚の足首から膝までサポーターですっかり覆っている。いったい何なんだろう、と思っていると、息子たちの隣のフィールドに集結してきた。

そう、実は彼女たち、ソフトボールチームのメンバーなのだ。

エッ、こんな年になってもプレーできるの?と驚きながら、なんだかうれしくもあり、試合が終わったら写真を撮らせてもらおうとひそかに思って待っていた。

「こんなお年なのにプレーしていらっしゃるなんて」と言うのも失礼だし・・・。なんて言ったらいいかしら・・。

I'm impressed you still play softball. You're not a teenager, are you?
と聞いてみた。

ちょっとウケたようで、「そうは見えないって言うの(笑)?」と切り返された。

皆さんナイスで、「誰の写真がいい?」「何人撮りたい?」なんて聞いてくださり、結局全員がベンチで勢ぞろい。Say cheese! にあわせて微笑んでパチリ。

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そのあと、チームの詳しい説明までしてくださる。
18名の選手のうち、その日は12名が参加。内、6名が60代と聞きビックリ!

入会資格も50歳以上ということで、体の節々が痛くなってきている私でさえ、あと数年、待たないと入れてもらえない。

チーム名がふるっている。'RECYCLED TEENAGERS'。

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お一人で写っているEMMAさん、なんと前日80歳のお誕生日でパーティーをしたということだが、昨年までは現役選手でシニアオールスターに出場なさっていたとか。凄すぎません?

対戦相手はずっとお若く、大学出たても一人二人混ざっている感じだったので、このチームほど、平均年齢は高くないと思いつつ、GALEさんが親切にも下さったリストを見ると・・・。

2011 SUMMER WOMEN'S 50+ SOFTBALL
と書いてあるではないか・・・。つまり皆さん50歳以上?

「昔からなさっていたの?」ときいてみる。「いろいろよね。でも今みたいにたくさんの試合が出来たわけじゃない。そうね~、一年に3試合くらいだったわ。」

そうなのだ、車社会といわれるアメリカでも、車は高価なものなのだ(保険が特に高い)。一人に車一台は経済的に豊かな人に限られ、公共交通がほとんどなく車なしでは「超」不便なミシガンでも、バスを使っている人もいる。ましてや、30~40年前は一家に一台のことはざらだったと耳にしたこともある。当時、高校生がみなでこぞって隣の高校まで遠征試合に行くというのは、大ごとだったに違いない。

このエリアには、去年は11チーム、今年は2チームが合併して一つになり10チームあるらしく、それぞれと2回〈たぶんHOME一回、AWAY一回〉、全部で10試合、そのあと成績次第でPLAYOFFが開催される。

息子の野球、娘のバレエをみていて、自分の時代は終わった、次の世代にバトンタッチするのね、とちょっと悲しくも思っていたが、ところがどっこい(笑)。GALEさんに「待ってるからね」と言ってもらって、これからの楽しみが出来た気がした。

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