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「映画撮影 完」

日本は猛暑ですごかったようだが、ミシガンもご他聞にもれずじとじとと暑かったので、炎天下でのこの映画撮影は体力的にかなりしんどいものがあった。
ケータリングのお兄さんはひっきりなしに果物のスライスを山と載せたお盆を持って回っていたし、スタッフさんも子供たちの名前を書いたカップに水を入れては頻繁に飲ませてくれていた。ごみのことに頓着のないアメリカなので、当初は冷やしたペットボトルのお水をドサッと持って来ては一人に一本ずつくれ、それらは飲み残しが入ったまますぐにゴミ箱に捨てられていたのだが、全部飲みきらずに何度も何度も捨てるのはさすがにもったいないと思ったのか、そういうことをし始めたのだった。そんなところもビックリしたことのひとつだった。そしてそう思う自分にもビックリした。

一日、9時間、付き添いの私が何をしていたかというと・・・。
周りの人たちがしていることにやっぱり興味があって、本を持っていっても集中できないし、どうしようかとおもったところ、そうだそうだ、古い野球のボールの中身をほどいて編んだらいいかも、野球の映画だし・・・とそういうことを始めてみた。

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これはかなり好評で、メインの子役のママたちさえ、「今日はボール持ってきた?」って聞きに来てくれて、ほどいてくれるし、並んでしていると、通りかかったスタッフに、「ねえこれ知ってる?野球のボールの中身なのよお。」って説明してくれる。そうするとみんなもちろんビックリして、話に花が咲く。でももちろん、”Quiet, please!!"の声がかかると撮影に雑音が入ってはいけないと、みんなで緊張して、静かにひたすらほどく、編む(笑)。

ちなみにほどいた毛糸状のものは大変に圧縮されているので、いったん毛糸用の洗剤で洗い、干して、乾いてから巻いて編める状態にしてから使う。使ったボールはどれも息子がメジャーかマイナーの選手たちからいただき、ここ4~5年練習に使ってきたもので、それぞれを何千回も打ち、拾ったもの。かなり痛んでもう使えなくなっていたが、ただごみとして捨てるのも忍びないと思っていたところだったので、こうやってリサイクルできることはとてもよかったと思っている。

こう書くと、みんな和気あいあいとしているかと思うでしょう?意外にと言うかやっぱりというか、ママ同士、張り合ったりもしていたし、例のママジャーを目指して精力的にめぼしいスタッフに声をかけていたママなんて、「DD」という暗号で陰で呼ばれていた、コワ~イ!!

今回、「息子の野球のプレーが映画の中で残るのならそれもいい記念かもしれない」と思って参加を決めたが、「弱小野球チームにサッカーチームからリクルートされる少年の役」だからサッカーをしているシーンの撮影はあったけれど、野球のボールは取ることも投げることも一度もなかった。野球のプレーは「相手ピッチャーが肩を痛めてストライクが入らず満塁になり、次の打者がグランドスラムで勝つという撮影」で、フォアボールでファーストに行く打席が一度、「メインチームの選手それぞれがヒットを打って一塁まで走る」という、もしものための使うかどうかわからない撮影を最後に一度のみ。ちなみにその撮影も、ある子供はぜんぜんヒットが出ないから、一時間くらいただただ打っていて、撮影延長になり、アントニオ君のママは病院の予約をキャンセルしたくらい(笑)。息子は1球目をセンターにヒットを打ってしまい、一球で撮影終了。うれしいけれどガッカリ(笑)。

この映画は、「最初弱かったけれど、がんばって強くなって強豪を倒す」という筋書き。ちなみにこういうチームや人を’underdog'というのだそうだ。

ちょっとびっくりしたことは、30ウン歳まで日本で暮らしていて「やっぱり日本語の方が断然ラク」って思っていたわたしでさえ、この一ヶ月、ママたちとの英語でのおしゃべりが多かっただけで、日本語が出にくくなった気がした。毎日アメリカの学校に行っている子供たちにとって日本語を学ぶ、使うは大変なことなのかも~って感じた次第。

今回の映画撮影を終えての息子の感想。
「楽しかったけれど、時間がなくなるからもう二度としない。」

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